タングステン(元素記号:W)という金属は、昔は小学生でも知っていた!
今の子供達に聞いてみると、「ナ二、それ?」という返事しか返ってこない。 裸電球にお目にかからないからである! 昔の家庭では、切れた電球の取替えは、小学生がやることに決まっていた! だから、私も何度も取り替えた記憶がある。 ![]() http://www.bh-digest.net/2011/07/led2015.html ‘電気がつく’という表現は、厳密には少々おかしい。 ‘電球の灯りがつく’と表現すべきなのだろうが、「電気をつけて!」という。電球がほとんどない家庭でもそう表現するから、必ずしも‘電気をつけろ’の場合、電球を指す訳でもない! 少々ややこしくなったが、まあ、それはそれとして、電球を取り替える場合、本当に玉が切れているのか、を確かめる際には、必ず‘電球を振ってみる’のである! 振ってみて、電球のガラスとぶつかる金属音がしたら、「切れてるよ~!」ということになる。 その「切れてるよ~!」の‘切れてる’のは、電球の中の‘タングステンの線かコイル’が、消耗して‘切れて’しまっている事を指す。 そんな訳で、‘切れている’物質が‘タングステン’だから、昔の小学生は、誰でも‘タングステン’のことは知っていたし、そのタングステンの融点が高いことも同時に知っていた。そして、そして、その融点が、3,000℃以上(より正確には、3,380℃)であることも・・。 ![]() http://ja.aliexpress.com/w/wholesale-tungsten-wire.html 今、なぜこの‘タングステン’を問題にしたかというと、実は、その比重がほとんど‘金(きん)’と変わらないという点にある! 実は、昔の小学生は、タングステンのことは融点が高いというところまでは知ってはいたが、その比重が金とほぼ同じなどということは知らなかった。何故なら、比重など知る必要がなかったからである! でも、現在は、この‘タングステンの比重が金と同じ’ということで、注目を集めている! (比重とは、4℃の純水(蒸留水)1gの密度を‘1’として、各物質の相対的密度のことである) アルキメデスが‘アルキメデスの原理’を発見するきっかけとなった‘王冠の比重’を計った話は有名であるが、その時には、‘純金’が‘銀’とどのくらい置き換えられたかを調べることだったから、まあ、成功した! ![]() http://garakuta.chips.jp/blog/archives/2010/06/11013138.php 因みに、金の比重:19.30 銀の比重:10.49 であり、これだけ比重に違いがあるから、アルキメデスも幸運だった! ところが、タングステンの比重は、19.25 だから、もしも王冠の中身にタングステンが使われ、表面に金が被せられていたら、さすがのアルキメデスも‘溶かす’ことなくして、比重の測定だけでは見破ることは不可能だったに違いない! 勿論、タングステンの分離に成功したのは‘1781年’ということだから、アルキメデスの時代にはタングステンを金の紛い物にするという発想さえなかったし、融点の高さで溶解・加工する秘術は当然なかったから、アルキメデスは幸運だった! さらにアルキメデスが幸運だったのは、銀を混ぜて(or ‘あんこ’にして)王冠を作ってくれた悪徳職人がいたからこそ、‘アルキメデスの原理’を発見出来たという点にある!彼は、その悪徳職人に感謝の言葉を述べたのだろうか? (つづく) スポンサーサイト
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