FC2ブログ
旅行・散策(1)渋温泉&地獄谷
2011年12月28日に、長野善光寺・湯田中温泉・渋温泉・地獄谷への旅に老夫婦でに出ることになった。娘夫婦K一家のご招待である。K一家は息子二人の4人で一足早く渋温泉泊まりの黒姫山スキーにと前日夜出発し、渋温泉の旅館で落ち合う段取りである。

こちらは、九州生まれでスキーなど一度も経験もなく、それに年相応に手足も動かなくなっているのでスキーはご遠慮申し上げた。東京駅から新幹線で長野駅へ行き、善光寺さんをお参りして湯田中温泉・渋温泉へのコースである。だが東京駅に行くまでにもう早速失敗をしでかした。自宅は千葉県外房線のローカル駅から太平洋へ向かって約6kmのところにある。自宅からそのローカル駅まではバスはもう15年も前に廃止になっているので車がなければ生活が出来ないのである。

前の晩、寒い所での二泊三日の旅支度に懸命になってコンパクトに纏め上げてバッグに詰め込んだのに、その大切なバッグをこともあろうに車に積み込まなかったのだ。何という失態!駅と自宅は約6kmだから、往復でも20分で済む。ローカル線だから上り電車は30分に一本。自宅へ引き返してみると大切なその荷物は、ちゃんと玄関前に鎮座ましましているではないか!出がけに女房殿が毛糸帽子がないと言いだしたのだ。私はそのバッグを玄関先に置いたまま一旦部屋へ舞い戻ってその帽子探しをし、ようやく見つけて車を早く発進させるよう促した。運転は女房殿しか出来ない。そんな‘不慮の’出来事があったため、ついつい自分のバッグを車に乗せることを忘れてしまっていたのだ。

この事件で、女房殿は不思議にちっとも怒らない。なぜだ!何故だ!お歳をお召しになって‘怒ることなど馬鹿馬鹿しい’とお悟りになられた訳でも何でもない。きっと今後この二泊三日の内にこんな出来事が今度は自分の責任で起こらないとも限らないとそうお思い遊ばされたに違いない。新幹線の予約指定席には10分間の余裕で間に合った。そんな訳で出だしから少々の波乱含みでもあったが、予定通り長野駅に到着した。

私は善光寺さんには仕事の関係上何度もお参りしたことがあるし、どうせ泊まりの出張であったから、朝一番での新幹線に乗って東京へ帰るのなら少々の二日酔いでも間に合うようにと長野での泊まりは駅前のビジネスホテルに決まっていた。そのビジネスホテルも健在である。ただし、長野駅の駅舎が‘仏閣型駅舎’だったのに、新幹線の開通と同時に新しく生まれ変わったという。(http://ja.wikipedia.org/wiki/長野駅

nagano1
nagano1 posted by (C)mobaradesu

新幹線開通前までの長野駅(仏閣型駅舎)
http://oniheru.fc2web.com/ekisya/nagano.htm

nagano1 (1)
nagano1 (1) posted by (C)mobaradesu

現在の長野駅
http://lonelytraveler.cocolog-nifty.com


善光寺さんは、関係者には申し訳ない表現だが、今や信仰の対象と言うより‘観光資源’化されてしまっている。
‘旅行が趣味’とのたまうご仁が沢山おられるが、世界遺跡というとんでもない重要かつ厳かな場所へ詣でてもそこへ行く時に下調べもせず或いはその遺産の重要性も認識せず、ただ‘有名だから’という理由だけで大金と時間を使って訪れる観光客が多い。嘆かわしい次第である。

まだ善光寺さんは世界遺産に登録はされていないが、その運動は続けられている。
http://sekaiisan-zenkoji.com/seturitumokuteki/seturitu.html

そこで、こちらも、その観光客一族ではない証拠として、事前に以下のことを調査した。

① ご本尊:一光三尊阿弥陀如来様
② ご本尊様の由来:インドから朝鮮半島百済国へとお渡りになり、欽明天皇十三年(552年)、仏教伝来の折  りに百済から日本へ伝えられた日本最古の仏像
③ 善光寺伽藍造営時期と名前の由来:皇極天皇三年(644年)に勅願により伽藍が造営され、本田善光の名を  取って「善光寺」と名付けられた。
④ 現在の伽藍の建立時期:宝永四年(1707年)には現在の本堂が落成し、続いて山門、経蔵などの伽藍が整  えられた。
⑤ 年間の参拝者数:年間約600万人。

http://www.zenkoji.jp/

少なくともこれくらいの予備知識は、善光寺さんにお参りする人全員が必要だと思う。

さて、その予備知識のおかげで何が判ったか?

① ご本尊様が、阿弥陀如来様であるから、浄土宗や浄土真宗のご本尊様と同じ。したがって、拝み文句は、「な  むあみだぶつ」であって、「なむみょうほうれんげきょう」ではない。
② 日本最古の仏像であるから、やはりインドで造られた。それなら日本で造られた最古の仏像は?どうやら飛鳥  寺の大仏。601年に造られたらしいので、どちらが日本最古の仏像か?或いはこれら以外に年代測定が出来  ない仏像があるかも?
③ 本田義光(よしみつ)の功績を讃えて、とは、一体何故?物部氏と蘇我氏の対立と関係がありそう。
④ 当時の建築技術の素晴らしさが眼前に。でも何故何度も災害に遭ったのか?
⑤ 伊勢神宮が年間860万人を超えたことでニュースになった位だから、600万人は凄い!

まだまだ、‘お戒壇巡り’や‘牛に引かれて善光寺参り’って何?等々調べること沢山在り。
そんな訳で、一寸残念だったのは、肝心のその‘お戒壇巡り’が、暮れの28日だったこともあってお正月の準備清掃のため入場不可だったこと。このお戒壇巡りには深い意味と立派なご利益があるというのに。

画像 002
画像 002 posted by (C)mobaradesu

そんな訳で、この写真の本堂には、①の一光三尊阿弥陀如来様が安置されており、7年に一度のご開帳という。

画像 005
画像 005 posted by (C)mobaradesu

「このびんずる(賓頭廬)尊者様は、お釈迦様の弟子、十六羅漢の一人で、神通力(超能力に似た力)が大変強い方でした。俗に「撫仏」といわれ、病人が自らの患部と同じところを触れることでその神通力にあやかり治していただくという信仰があります」という説明書きがあります。私も尊者様のおつむに触れさせて頂きバッグ忘れのリカバリーショットを・・・。





さて、お昼もとっくに過ぎたので、信州戸隠そばを頂いて湯田中温泉へと特急に乗った。暮れの28日の午後というのに電車はさほど混んでもなく無事に湯田中駅へ到着。本日娘夫婦のK家と合流する渋温泉の旅館からの出迎えの車に乗り込んだ。2,3日前に降った雪が5cmほど積もった道を運転慣れした番頭さんがくねくねと走る。約10分でご到着だ。

画像 013
画像 013 posted by (C)mobaradesu

旅館の窓からは、湯けむりと温泉まんじゅうの看板が見える。
早速その旅館の内湯に浸かったが、これまた最高!渋温泉には大グランドホテルはない。我々が泊めて頂いた旅館も部屋数が12とかで、この位の規模がのんびりするには丁度良い。
娘夫婦K一家の常宿とかで、女将さんも従業員も皆愛想もいいしテキパキと仕事をする。そうこうする間にK一家様のご到着である。孫達二人は、1日に70本近くも滑ったというから驚きである。上は中学2年生、下は小学校6年生で、どちらも野球に精進しているから背丈も伸びてきてとうとう我々老夫婦は追い抜かれたしまっている。

夕食はこれまたご馳走ばかりで久し振りに腹八分を通り越してしまった。明日はまたK一家は早くからスキーだというので早めに就寝ということになった。我々老夫婦は、明日はかの有名な地獄谷のお猿さんの温泉浴を見学するのと、渋温泉の外湯巡りが待っている。

さて、今朝になっても雪は降らない。K一家は年に一度のスキーを思う存分にということで早朝に黒姫へ出かけて行った。残った我々老夫婦は、先ずは渋温泉街の下見。夜の遅い温泉街は朝10時になってもまだ何処も店を開けていない。温かい温泉まんじゅうを食べたいと思ったが、薄戸のあいた店では冷たいのしかないという。これには一寸驚いた。そうかもしれぬ。買い手のないまんじゅうをそう長くふかしてばかりはおれないのだ。

地獄谷のお猿さん温泉浴を見学すると言ってもそう簡単ではない。
渋温泉から約2.5km離れた‘特別区’への道は、雪が10cm以上積もった崖っぷちの多い坂道だから、素人の運転は禁止されているからプロの大型タクシーということになっている。歩きは認められているようである。しかし、個人責任で処理することになっているという。日本人はこの習慣に慣れていないのでそんな無茶は誰もしない。歩きの人に何人か出会ったが、皆外人ばかり。

画像 043
画像 043 posted by (C)mobaradesu

期待通りお猿さんが温泉入っている。世界中でここだけという。ただ吃驚したことは、人間様の通りを猿が一緒に歩いている。これは事前に調査したがこの情報はなかった。でもこれは観光客が心配することではなかった。お猿さんの方がちゃんと知っていて人間に危害を加えないのだ。旅館の女将の話によると、きちんと餌付けがなされているので心配はいらないとのことであったが、歩道まで出て歩くというところまでは教えては呉れなかった。

画像 052
画像 052 posted by (C)mobaradesu

この地獄谷温泉のお猿さん浴場まで大型タクシーの停留場から徒歩で約15分。その途中にあるレストランの屋根には巨大なツララが・・。空調機の大きさと比較すればその大きさが判る。

画像 049
画像 049 posted by (C)mobaradesu

画像 053
画像 053 posted by (C)mobaradesu

地獄谷野猿公苑:http://www.jigokudani-yaenkoen.co.jp/

画像 075
画像 075 posted by (C)mobaradesu

画像 093
画像 093 posted by (C)mobaradesu

海外でもこの地獄谷のお猿さん温泉浴の話は夙に有名らしく、我々が滞在した約2時間の時間帯でも35%位は外人さんだった。

画像 097
画像 097 posted by (C)mobaradesu

お猿さんにも学習能力があって、生まれてそんなに月日が経っていないと思われる小猿さんだってちゃんとカメラ目線に耐えている。次の写真がそうだ。

画像 086
画像 086 posted by (C)mobaradesu

でも何だか余り訓練され過ぎているお猿さんに会うのも一寸淋しい気がした。だって我々はお猿さんが温泉の中でふざけ回っているのを見たかったのに、何とも温泉の中だけは‘誠にお利口さん’なのである。ここまで訓練が行き届いていると、もう‘ロボット’である。褒め言葉で言えば、‘上手い役者’である。勿論、よくよく教えが厳しいと見えて、誰一人(?)餌をねだることもない。餌を与えないで!とも、目線を合わせないで!とも、注意書きにはある。
何となく、人間が見に行ったのではなく、‘見せられに行った’という不思議な感じがした。
当のお猿さん達は一体どう思っているのだろうか?多分やはり‘役者’の気持ちなのかも知れない。結局こうやっておれば、飯が食えると認識しているのだろうか?

結局最後は、ボス猿と思われる大きな図体の猿が駐車場まで来て見送ってくれた。これもお猿さんの演技だとすれば、これはもう観光と言う商売のネタに過ぎない。お互い生きていくためには我慢、我慢!

画像 125
画像 125 posted by (C)mobaradesu

この猿はこの役目をすることに決められているのだろうか?気に入らないかもしれないが、この地獄谷全体のお猿さん達のために頑張って下さい!今後ともよろしくお願い致します。ただし、もう少し‘笑って!’商売には、愛嬌が肝心!

地獄谷お猿さん温泉に別れを告げて渋温泉に戻った。まだ夕食には時間があるので渋温泉の最大の特徴である‘外湯巡り’をすることにした。
部屋に戻ると外湯巡りの‘鍵’が置いてある。9か所ある外湯は、この鍵一つで何処のにでも入ることが出来る仕組みになっている。上手い仕掛けだ。

画像 014
画像 014 posted by (C)mobaradesu

信州渋温泉:http://www.shibuonsen.net/

天の邪鬼の精神はこの歳になっても抜けない。九番目から入ることに決めた。かなり熱い。単純な造りで洗い場もないし、客も大勢居たから早々に逃げ出すことにした。8番目は清掃中という。7番、6番に入って宿に戻った。やはりのんびり出来るのは旅館の湯だ。今度は誰もいない旅館の大(中?)浴場で時間をかけてゆっくりと湯に入り直した。

部屋の床の間に掛け軸が掛かっている。

画像 015
画像 015 posted by (C)mobaradesu

「花無心招蝶」と草書体で書かれていて「花は無心にして蝶を招く」と読むのだと女将さんが教えてくれた。作者は、藤沢赤心さんといいこの辺では有名な書家らしい。日本人に生まれながら、日本人が書いた掛け軸の字も読めないようでは情けない。

画像 129
画像 129 posted by (C)mobaradesu

大盤振る舞いの旅館の夕食を皆でわいわい言いながら済ませた後、雪のちらつき始めた渋温泉街を散策することにした。アルコールの御蔭で寒さは感じない。無料の卓球場もあれば、昔懐かしい射的屋も店を構えている。

画像 192
画像 192 posted by (C)mobaradesu



画像 175
画像 175 posted by (C)mobaradesu

雪のちらつく温泉街での夜の散策、あぁ、もうそろそろ消えていく風景かも知れない。

画像 131
画像 131 posted by (C)mobaradesu

次の写真は、夕食後2時間も経っていないのに‘ラーメン’を食べようかと相談をしているところ!これじゃあ、孫達も大きく伸びるはず。

画像 178
画像 178 posted by (C)mobaradesu

今回の温泉行の結論はこうだ。

観光地や遊園地の持続発展、大成功の根本原理・戦略に関して言えば、リピーターの数とリピートの回数を増やす‘仕組み’がその計画の中にあるかどうかでその善し悪しが決まる。
よく例に出されるのが、ディズニーランドでありラスベガスである。何故リピーターが増えるのか?何故リピート回数が増えるのか?その最大の理由は、その‘規模の大きさ’にある。勿論大きさと同時に‘豪華’でなければならぬ。

では、豪華で大規模であることが何故大勢の客を呼ぶことが出来何度も同じ場所へお客に足を運ばせるのか?
答えは明快である。豪華で大規模であれば、当然ニュースバリューがある。マスコミが宣伝費の半分以上を持ってくれるからである。頼みもしないのに勝手に宣伝してくれるのだ。それは、つまり豪華で規模の大きい○○ランドを紹介することによって一般人が見てくれる。見てくれればそのマスコミにスポンサーがつく。だから、マスコミは、○○ランドから一切お金を貰わずに食って行ける。一方、マスコミが報道した内容を見た一般人は、どうしてもそこへ行きたくなる。それが人情というもので、自然の動きである。





では、もう一つ、何故一度言った人間が何度も行きたがるのか?これも答えは簡単である。規模が大きいから一度に見きれない、一度に体験出来ないから、帰る時点でもう既に見ていないところをもう一度来て見てみようと決断しているのである。こうだからリピート数が増えない筈がない。

これが‘からくり’である。さて、それではどの程度の豪華さとどの程度の規模があれば大成功を勝ち取ることが出来るのか?これを考える場合に見落としてはならぬ重要事項は、一つの催し物を決して長期間行ってはならないという原則を忘れてはならない。そのことは、この成功の‘原理・原則’が教えて呉れている。人間は同じ経験を余り何度もしたくないからだ。少数のプロを除いては。一般人は‘飽きる’という性格を持っている。しかし、プロは同じことを何度繰り返しても飽きない。飽きないどころかプロは‘その奥行き’を深めることが出来る。逆に同じことを繰り返しても飽きない奴、これがプロであるとも言える。

これらの原理・原則は、誰しも経験しているのに、さて自分が経営をする際には上手く出来ない。これも人情のなせる業である。丁度、上手な字を見て上手い、凄いということは判っても自分では書けないと同じことのように思える。そこを上手く乗り越える術、これが訓練である。頭では理解出来ていても実行は難しい。

経営なんて誰にでも出来る訳ではない。訓練と経験と決断、この繰り返し、積み上げである。

今回の温泉行の結論、これは上記の結論とは違う‘新しい発見’をした。何も豪華で大規模ばかりがリピーターとリピート数を増やす訳ではない。こじんまりとしてはいるが、本当に心を癒してくれるそんな居場所。
こんなに嬉しい温泉旅行は72年間初めてであった。K一家に大いに感謝!これが結論である。
















スポンサーサイト



[2011/12/30 11:05] | 旅行・散策 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
| ホーム |
designated by FC2