水田の`水の役割’と‘乾田’について(その2)
水田の`水の役割’と‘乾田’について(その2)

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2015年06月24日PM:千葉県茂原市千沢 <田圃の人影は、わ・た・し!>

昨日(2015年06月24日)のこのブログでは、‘田圃に水が無くなった’ことについて調査をした途中経過の結果では、‘水田という田圃が果たす役目’の方に論点が行ってしまって、実際の田圃で、水の供給をしないことの意味の探求が疎かになってしまった!

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2015年06月24日PM:千葉県茂原市千沢

それほど、農業関係者にとっては、‘田圃に水を途中から供給しない’ことは、‘常識’であり、知らないのは疑問を感じた我々だった、という感じがした!

そもそも、水田の維持の仕方には幾通りもあるらしく、‘途中で水の供給を止めてその後又水を供給する’という方式を‘乾田方式’というらしい!

実は、まだ私の方でのきちんと調査の結果を把握しきってはいないのだが、昨日の散歩の途中で、或るご老人に聞いてみたのである。

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2015年06月24日18時過ぎ:千葉県茂原市千沢

このご老人(87歳!)の話によると、

① 水の供給をしないのは、‘乾田方式’を採るため

② ‘乾田方式’のメリットは、或る程度(稲が花を咲かせる何日か前)まで稲が育った田圃に水を供給しなくなれば、田圃が干上がって酸素の供給が多くなり、その結果‘収穫量’が増す

③ 中間で水の供給をストップする行為を‘中干し’という

④ 千葉県茂原市では、この方式を採っており、‘利根川水系’からの水供給を少なくすることにより、水代のコストを低減させる

⑤ 稲穂に花が咲き、安定した状態になったら、また‘水の供給を再開する’ことになる

⑥ 乾田は、‘陸稲(おかぼ)’とは違う!

話を伺って、まだまだ質問したいことは沢山あったのだが、18時を過ぎていたし、初対面でもあったので質問はほどほどにした。
でも、我々の質問に‘堰を切った’ように縷々とご説明を戴いた!

そこで、乾田についてWEBで調べてみると・・・

https://kotobank.jp/word/%E4%B9%BE%E7%94%B0-49311
世界大百科事典 第2版の解説
かんでん【乾田】
作物栽培に必要な期間以外は落水し,乾かすことのできる水田をいう。湿田との対比で使われる用語である。水田は本来,水をたたえる方向で造成されてきたため,排水の悪いのが一般である。しかし,このように常時湛水(たんすい)状態にある湿田は,水稲をはじめとして水田作物の栽培にとって,必ずしも好適であるとは限らない。湛水下の還元的な土壌中で発生する硫化水素などの有害物質は,しばしば根腐れを誘発して作物の生育に悪影響を及ぼすし,また湿田に固有の軟弱な基盤は,機械力の導入に大きな支障となる。


>https://kotobank.jp/word/%E4%B9%BE%E7%94%B0-49311
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
乾田 かんでん
水田は排水状態(水はけぐあい)の良否によって乾田、半湿田、湿田に分けられるが、乾田とは地下水位が低く排水の良好な水田のことで、融雪あるいは降水直後を除く非灌漑(かんがい)期間に田面がつねに乾燥し、足を踏み入れても絶対に水がにじみ出ることのない水田をいう。水稲の生産力は安定して高く、機械化や麦などの裏作もしやすく、水田の高度利用にも適しているので、湿田、半湿田も乾田化が進んでいる。しかし重量機械の導入により作土下に圧密層が形成され、これによる湿田が増加している。[小山雄生]


‘乾田’という言葉さえ知らなかったことを多いに恥じた次第!

では、‘中干し’について・・・

http://www.kikumasamune.co.jp/monogatari/nakaboshi_f.html
中干し
田植えの後、田は常に水が湛えられた状態になっているため、放っておくと稲にとって有害なガスや酸が発生し根の発育に悪影響を及ぼします。そのため時々水を抜いて田干しを行う必要があり、これによって土中酸素が補給されると共に、有害ガスも放出されるため稲の根の発育は旺盛になります。

特に出穂前40~30日の間は水の必要程度の最も少ない時期で、田干しすることがかえって増取をもたらします。この時期の田干しを、特に「中干し」と呼んでいます。
この時期は無効分けつ期、又は分けつ衰退期で、中干しすると土中深く酸素を送ることになり、根の力の衰えを防ぐと共に窒素の過剰吸収を抑え、カリウムの吸収を良くし根を硬くします。その上この時期に干しつけることで、稈基部の節間の伸張を抑えかつ丈夫にするため、倒伏にも強くなります。倒伏に弱い酒米品種にとっては特に大切な注意事項の一つです。

酒米は地力の良いところでないと良質のものが生産されないので、酒米の適地と言われる田はいずれも中庸以上の地力を持っています。そして中干しは、地力の高いところ程大きな効果を発揮するため、山田錦を造る上では大変重要性の高い作業なのです。


さらに、さらに・・・

http://www.reigai.affrc.go.jp/zusetu/nkbseff.html
中干しの効果
中干しの効果に関係する主な要素と作用経路を下図に示す。プラスの経路は増加あるいは促進効果を、マイナスの経路は減少あるいは抑制効果を示す。経路の色分けは作用の引き金となる要素が異なることを示す。

middry中干しの効果

http://www.reigai.affrc.go.jp/zusetu/nkbseff.html
まず、湛水の効果(図説:「湛水された水田土壌の特徴と窒素の動き」参照)は、土壌窒素の発現を促進し、水稲の生育に好適な環境を作る。また同時に、土壌溶液中の2価鉄濃度が上昇する。この作用経路を青で示す。
湛水を長期間継続したり、水温の高い状態が続いたりすると、硫化水素や有機酸などの有害物質が土壌中に徐々に蓄積される。これらは根の発達に悪影響を及ぼし、養分吸収を阻害し、葉の生長や分げつ形成を抑制する。この作用経路を赤で示す。
中干しは、次のような大きく2つの作用経路をもつ。

(1) 中干しにより土壌窒素の発現を一時的に抑制し、稲の生育を調節する作用。
(2) 2価鉄濃度を低下させ、また酸素の供給によって有害物質を無毒化し、その後の稲の生育を良好にする。
 

このように、中干しに関係する要素は多く、またその作用経路も複雑である。
また、中干しの効果は、草姿の制御、倒伏防止、土壌状態の改変を通して生育後期に現れるため、顕著な効果を認めにくい。しかし重要な基本技術である。
なお、中干しの効果には、このような稲の生育コントロールの他に、地耐力の向上が図られ、収穫機械の運行を容易にするなどの作業上のメリットも大きい。


知らないということは、誠に‘間抜けな’話である!
でも、今はWEBで直ぐに調査が出来る!誠に有難い状況になったものだ。
しかし、一方では‘機密の漏洩’問題も発生し、いよいよ複雑な時代となった!

「便利さにはその代償を覚悟せねばならぬ!」

とは、誰が言った言葉だったか?

(つづく)
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[2015/06/25 11:42] | 農業 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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