紅葉のメカニズム 出典/
http://photo.v-colors.com/tag/%E7%B4%85%E8%91%89/ 紅葉のメカニズムを理解するためには、紅葉する樹の葉っぱの構造を知っておくことが必要である!
そうすれば、葉っぱが如何に巧妙に出来ており、しかも葉っぱが樹を養うために、‘光合成’(炭酸同化作用)により‘炭水化物’を造り、それを実に巧みに要所要所に運搬しているかが理解出来る!
紅葉は、この光合成で出来た‘炭水化物’と直接関係がある!
そして、美しい紅葉は、この炭水化物が沢山出来る条件、つまり光合成が盛んに行われる状態、つまり太陽光が燦燦と降り注ぐ快晴であることが必須条件である。
そして、そして、もう一つ欠かせない条件とは、炭水化物が出来た後に‘気温が下がる’ことである!
そして、そして、そして、更に重要な条件は、気温が下がった翌日には快晴で太陽がまた燦燦と降り注ぐことであ~る!
先ずは、葉の断面の模式図から・・・。
出典/http://biology1.juniorhighschool-science.net/plant/parts_of_plant.php 葉のつくり 葉は緑色していますが、これは葉緑体というものがあるからです。ここで光合成を行っています。葉緑体は葉をつくっている細胞の中にあります。ただし、葉の表面の細胞(表皮細胞)には葉緑体がないことに注意してください。 また、葉には葉脈がありますが、葉脈は栄養分や水を運ぶ管が集まったものです。養分が通る管を師管、水が通る管を道管といいます。道管が葉の表よりにあり、師管は葉の裏よりにあります。光合成の材料のひとつである水はこの道管を通って、葉緑体に運ばれ、つくられたデンプンなどの養分は師管を通って全身に運ばれます。 さらに葉の裏側には気孔という穴が多くあります。気孔は葉の裏に多くあり、穴をつくっている細胞(孔辺細胞)を開閉することで蒸散などの調節をしています。なお、孔辺細胞には葉緑体があります。
特に紅葉に最も重要な役目を果たすのは、光合成で出来た‘栄養分=炭水化物’を輸送する役目を担っている‘篩(師)管’である!
同じような断面の模式図をもう一つ・・・。
出典/http://bonsai.shinto-kimiko.com/kiso/kouzou.htm 葉の組織構造 植物の葉は、あとにも書きますが光合成の働きやガス交換、水分を蒸散させる場所です。 導管は根から吸い上げた水を体内に送り、合成した栄養分は師管から全体へ運搬する役割を持っています。 気孔は光合成が盛んに行われる日中に開き、葉から水を蒸散させるとともに光合成に必要な二酸化炭素を吸収しています。 常緑樹では1年中葉をつけますが、落葉樹では紅葉後に葉がすべて枯れ落ちます。
以上のことを箇条書きに纏めると次のようになる。
<美しい紅葉になるための必須条件> ① 紅葉する樹木があり、かつ葉っぱがあること。
② その葉っぱに太陽光が燦燦と降り注いで、光合成(炭酸同化作用)により養分(炭水化物)が沢山出来ること。
③ その後、夜分に或る一定の温度以下に気温が下がること。
③-1:夜分の意義;養分がその樹の要所に師(篩)管を経由して運ばれるのが夜分である。
③-2:或る一定の温度;その樹の葉っぱの師(篩)管が萎み始めるその樹特有の温度。
④ 或る一定の気温以下になると師(篩)管が萎み始め、養分が流れなくなり、葉っぱに養分が取り残される。
⑤ 翌朝以降快晴が続くと、葉っぱに取り残された養分に太陽光が注いで、その養分が分解・合成などの化学変化を起こす。
⑤-1:太陽光の内、紫外線(分解・合成のためのエネルギー)と遠赤外線(反応促進の温度)が重要役目を果たす。
⑥ その化学変化の結果次第で、その樹特有の‘色彩と鮮やかさ’が人間の目に映って、紅葉の素晴らしさに感動する・・・。
という段取りのようである。
しかし、学問的記述は、次の様になっている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E8%91%89 紅葉のメカニズム [編集] 普段葉が緑色に見えるのはクロロフィルが含まれるからであるが、寒くなり日照時間が短くなるとクロロフィルが分解される。また、葉柄の付け根に離層という特殊な水分を通しにくい組織ができ、葉で作られた水溶性のブドウ糖や蔗糖などの糖類やアミノ酸類が葉に蓄積し、その糖から光合成を利用して新たな色素が作られたりする。その過程で葉の色が赤や黄色に変化し、紅葉が起こる。その後、落葉になる。 紅葉、黄葉、褐葉の違いは、それぞれの色素を作り出すまでの葉の中の酵素系の違いと、気温、水湿、紫外線などの自然条件の作用による酵素作用発現の違いが、複雑にからみあって起こる現象とされる。 紅葉の原理[編集]葉の赤色は色素「アントシアン」に由来する。アントシアンは春から夏にかけての葉には存在せずに、秋に葉に蓄積したブドウ糖や蔗糖と、紫外線の影響で発生する。
更に、もう少し‘判りにくく(おっと失礼!‘詳しく’で~す!)’は、次の様に・・・。
http://www.momijikaedelab.jp/%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%87 %E5%B1%9E%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%A0%94%E7%A9%B6%E 5%A0%B1%E5%91%8A/%E7%B4%85%E8%91%89%E3%81%AE%E3% 83%A1%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0/ 紅葉(こうよう)のメカニズム 秋が深くなるともみじを始めとしたカエデ属植物は紅葉(こうよう)します。もともと「もみじ」という意味の語源は平安時代の「もみづ:染色するという意味」から葉の色が染まる様子をもみじに当てはめて呼んでいたところからきています。 紅葉する前の葉を構成する成分として大まかに緑色と黄色があります。緑色の由来は光合成を行う葉緑体を構成するクロロフィルと呼ばれる植物に必須の成分です。黄色は大まかにカロテノイドという種類の脂溶性成分で、ニンジンやカボチャに含まれるβ-カロテン(プロビタミンA)やルテインなどの成分です。これらの成分含有量のバランスにより葉は普段黄緑-緑に見えます。 ちなみに葉が黄緑-緑色に見える理由として、植物は主に赤色の光線と青色の光線のみを光合成に利用しているため、緑色や黄色は必要ありません。よって必要のない反射された緑色が私たちの目に入ることで植物は緑っぽく見えます。 冬になるにつれ日照時間が少なくまた気温も低いことから光合成する効率が悪くなります。そこで落葉樹は冬になると冬眠する動物のように休眠するのです。この時葉は必要なくなるので葉を落葉させます。落葉するプロセスとしてまずタンパク質の分解作用によりクロロフィルを少しずつ破壊し枝に吸収します。同時に葉と枝の間に離層と呼ばれる壁をつくり、水や栄養の行き来を少しずつ遮断します。この時クロロフィルの消失により緑色が無くなることでイチョウのような葉っぱではだんだんと黄葉してゆきます。葉っぱではまだクロロフィルが少なからず存在し、光合成を行っていますから、光合成によってつくられたグルコースは枝に送ることができないので葉の中に蓄積されます。細胞の液胞中でこの過剰に蓄積されたグルコースが行き場を失い、様々な生合成経路を経てアントシアニンと呼ばれる赤い色素に合成されます。残ったカロテノイドの黄色と合成されたアントシアニン量のさじ加減で葉全体が真紅-橙―黄の間の色になります。これが紅葉のメカニズムです。 この葉っぱを落とすきっかけとなるシグナルはまだ明確にされていませんが、一つの大きな原因として日中の温度が深く関与しているといわれています。松本の報告によると日中の気温が8℃を下回る時間の積算を超えると紅葉する、という興味深い報告があります1)。よって日中の気温が8℃を前後する急な寒暖差がある日が続くことが美しい紅葉を見られる要素であり、山間部や盆地などは寒暖差が激しいため美しい紅葉を見ることができます。 また同時に日が当たることも基本的な紅葉を生む条件の一つで、アントシアニンは日光の刺激により生合成されることが示唆されます。これは日光による紅葉している葉をめくってみると、下の葉はあまり紅葉していないことからも予想されます。 またある程度の水分も必要で、滝などの水辺の近く(カエデは海水を嫌います。)では適度な水分が葉に保たれるため、ピンと張った葉の紅葉を見ることができます。 ちなみにカエデ属植物は全てが紅葉するわけではなく、日本のイタヤカエデ(Acer mono)やヒトツバカエデ(Acer distylum)、海外のヨーロッパカエデ:Norway maple (Acer platanoides)などはアントシアニンが合成されにくいため秋には紅葉せず黄葉します。 私の経験上、太陽が当たりすぎて葉中の水分が少なくなり、夏に日焼けしているような赤を示す植物は概ね紅葉します。カエデ属植物の他にもブドウ科やバラ科の植物も紅葉しますが、カエデの紅葉は植物では群を抜いて美しいものです。 参考文献 1) 松本太 日生気誌 42(2), 65-75 (2005).
出典/
http://photo.v-colors.com/tag/%E7%B4%85%E8%91%89/ さあ、これからが紅葉のシーズン!
(つづく)
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