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‘ヒッグス粒子か 発見’
‘ヒッグス粒子か 発見’ なんて見出し、一寸おかしい? 日本語になっていない!?

‘ヒッグス粒子発見か?’ではないのである。

下の新聞記事(2012年7月5日)をご覧になれば判る。

ヒッグス粒子記事0002

この見出しをつけるに当たっては、朝日新聞のデスクは迷ったに違いない。

‘ヒッグス粒子発見か?’で素人には十分に判るが、実は真相はそうではないからである。

‘・・・・発見か?’は、初めてヒッグス粒子のことを記事にするならそれでいい。

しかし、このヒッグス粒子、昨年の暮れに世界的話題になったことは本ブログ【2012年7月4日】でも取り上げたし、記憶にも新しいので関心の深い方には、‘物理学上の発見’として認めるかどうかが問題となっていたのだ。

そんな訳で、スタッフもデスクも迷ったのだろう。

昨年の暮れの発表の段階では、ヒッグス粒子かどうかの確率は、98.9%だったが、今回の発表では、99.9999%以上の確立という。次の記事にそのことが書かれている。


http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news
_article.php?file_id=20120705001&expand&source=gnews


ヒッグス粒子発見、その意味と今後

Ker Than
for National Geographic News
July 5, 2012

「見つけたと思うが、どうだろうか?」。現地時間7月4日午前、スイス、ジュネーブの会場を埋めた聴衆を前に、欧州原子核研究機構(CERN)の所長ロルフ・ホイヤー(Rolf Heuer)氏はこう問いかけた。CERNが運営する大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で実験を行っている2つの研究チームが、“神の粒子”とも呼ばれるヒッグス粒子を、あるいは、ヒッグス粒子であることが有力な未知の粒子を、それぞれ99%以上の確実さで発見したという発表の場だ。

higgs-boson-july-4-sigma_55979_big.jpg
 陽子の衝突によって生まれるヒッグス粒子(想像図)。

Illustration by Moonrunner Design Ltd., National Geographic

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 長らく見つかっていなかったヒッグス粒子は、この宇宙の物質が質量を持つ理由を、ひいては銀河が、惑星が、そして人間が存在し得る理由を説明し、それによって物理学の「標準理論」の最後のピースを埋めることになるかもしれない。

「われわれは発見した。ヒッグス粒子とみられる新たな粒子を観測した」と、ホイヤー氏はセミナーの席上で述べた。このセミナーには、1960年代にヒッグス粒子の理論を発展させた4人の人物が出席していた。その中に、理論の提唱者であるピーター・ヒッグス(Peter Higgs)氏が発表を聞きながら涙をぬぐう姿が見られた。

 今回の実験結果はまだ予備的なものだが、その確からしさのレベルは5シグマを示している。5シグマというのは、研究チームが観測したヒッグス粒子とみられる信号が統計的な偶然である確率が100万分の1以下であることを意味する。

「実にすばらしい、わくわくする時間だ」。LHCでヒッグス粒子を探索する2つの実験の1つ、アトラス(ATLAS)に参加しているコロンビア大学の物理学者マイケル・タッツ(Michael Tuts)氏はこのように話す。同氏は物理学者と学生を集め、この日ジュネーブで現地時間午前9時から始まった発表を未明のアメリカで見届けた。「報われた。これこそ探し求めていたものだ」。

 もう1つの実験、小型ミューオン・ソレノイド(CMS)のほうも、ATLASとは別にヒッグス粒子を発見した。両チームとも、当日まで互いの発表内容を知らなかった。

「互いに競い合ってきた2つの実験が、ほぼ同じ結果にたどり着いたことは興味深い。発見のさらなる確証が得られた」と、ATLASチームに参加している物理学者でテキサス州ダラスの南メソジスト大学に所属するリシャルト・ストロイノフスキ(Ryszard Stroynowski)氏は述べている。

 CERN所長のホイヤー氏は、今回の発見を「歴史的な一里塚」と評したが、一方で、新たに発見された粒子の正体を確かめ、その特性を詳しく調べるには今後まだ多くの研究が必要だと慎重な姿勢を見せた。

 例えば、研究チームは新たに見つかった粒子の質量がヒッグス粒子の予測質量に相当すると確信しているが、それでも、この粒子が予想される神の粒子の振る舞いを示すのかどうか、ひいては、この粒子が宇宙の誕生と継続にどのような役割を果たしているのかを確認する作業がまだ残っている。「胸を張れる結果だと思うが、(中略)これはほんの始まりに過ぎない」とホイヤー氏は述べている。

◆予想を上回る結果

 5シグマという結果がATLASとCMSの両実験から得られたことは、多くの物理学者の予想を超えるものだった。LHCの重イオン衝突実験装置ALICEのプロジェクトでイギリスチームのリーダーを務める、バーミンガム大学の素粒子物理学者デイビッド・エバンス(David Evans)氏もそうした1人だ。

 エバンス氏は発表前日の7月3日の時点で、4シグマの実験結果が発表されることを予想していた。従来、新粒子観測が偶然ではなく公式な発見とされるためには、5シグマという厳しい基準が必要とされているが、4シグマはこれにわずかに届かないレベルだ。

 発表を受けて、エバンス氏は次のように述べている。「私の予想をさらに上回る結果だ。ヒッグス粒子は見つかった、存在すると言っていいだろう」。予想を超える結果は「LHCのすばらしい仕事に、ATLASとCMSのすばらしい仕事が合わさって」得られたものだと同氏は言う。両チームは2011年12月に、2シグマの確率でヒッグス粒子とみられる粒子の信号を観測したと発表したが、「チームはそれ以降、分析の向上に努めてきた。ゆえに、同じデータでも統計的有意性が上がっている」。

 ATLASの広報を務めるイタリアの素粒子物理学者ファビオラ・ジアノッティ(Fabiola Gianotti)氏も、LHCを高く評価する。数十億ドルを投じて建設されたこの加速器は運転開始当初、数々の事故やトラブルに見舞われた。「LHCとそこで行われている実験は奇跡を起こしている。今や計画を超えた成果を上げているといえる」。

 ALICEのエバンス氏は、今回のヒッグス粒子発見の報を非常に喜んだが、それと同時に、もっと意外な結果が出なかったことに少し落胆も感じたという。「正直なところ、標準理論の予測と少し異なる結果が出ていたらよかった。まだほかにも未知のものが存在する可能性が示されるからだ」。

◆さらに金メダルを目指して

 ヒッグス粒子の探索は、LHC建設の主要目的の1つではあるが、ヒッグス粒子の発見が確認されたからといって、この大型陽子衝突装置が動きを止めるわけではない。

 いまだ残る疑問を解明するためには、今後何年もかけて追跡研究を行う必要がある。そのような疑問とは例えば、ヒッグス粒子の「崩壊チャネル」が何か、すなわちヒッグス粒子がエネルギーを放出しながら何の粒子に変わるのかといったことだ。

 また世間では忘れられがちだが、ATLASとCMS以外にも、LHCでは大きな実験があと2つ行われているとエバンス氏は言う。その2つとは、LHCbとエバンス氏の参加するALICEで、これらの実験では宇宙に反物質が少ない理由など、ヒッグス粒子とはまた別の物理学の謎を追っている。

「オリンピックにたとえるなら、ヒッグス粒子の発見は金メダルを1個取ったようなものだ。1個だけで満足する国はあまりない。CERNはこれから先、もっと多くの金メダルをもたらすことになるだろう」とエバンス氏は述べている。



朝日新聞はこう解説している。

ヒッグス粒子記事0003ヒッグス粒子記事0005

そしてこの記事の最後に‘コメント’をしておられるる村山斉先生の著書が私の手元にある。

これは昨年夏に買い求めたものだ。

ヒッグス粒子記事0004

この本の中に‘素粒子の標準模型’として、次の16の模型が示されている。

ヒッグス粒子記事

しかし、この本のどのページを探してみても、今回の‘ヒッグス粒子’という言葉は本文中に出てこない。
ただし、後出の宇宙のエネルギーの図面に「暗黒場(ヒグス)」の記述がある。
多分これが今回発見!で騒がれている‘ヒッグス’粒子の事であろう。

それにしても、存在量が、10の62乗%?? とあるのは何?

このヒグス(今世間ではヒッグス)が大々的に取り上げられていないのは、ヒッグス粒子が昨年【2011年】の暮れに報道されて話題になる前に、この本が出版されているので、記事にならなかったのではないかという見方が出来る。

ヒッグス粒子記事0001

さて、発表元の統一見解は次のようなものである。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/120705/scn12070500560005-n1.htm

「まさに新粒子」「興奮を禁じ得ない」 CERN統一見解 ヒッグス粒子「発見」
2012.7.5 00:55 [科学]

 ヒッグス粒子の最新の研究成果について欧州合同原子核研究所(CERN)が4日発表した統一見解の全文(邦訳)は次の通り。

 〈長年探索してきたヒッグスボゾンとみられる粒子をCERNの実験で観測〉

 ジュネーブ発、2012年7月4日

本日のCERNでのセミナーは、メルボルンで開かれる今年の重要な国際会議ICHEPの序幕となるものであるが、そこでATLASとCMSの両実験は長年続けてきたヒッグス粒子の探索に関して最新の暫定結果を発表した。両方の実験ともに質量125~126GeV(ギガ電子ボルト)付近に新粒子を観測した。

 「私たちは126GeV付近の質量領域に5シグマ程度(高い確度)の顕著な新粒子の信号を観測した。LHCとATLAS測定器の非常に優れた性能と、多くの人の多大な労力により、この素晴らしい結果が出てきた」。ATLAS実験代表者のファビオラ・ジャノッティ氏は語る。「しかし、この結果を論文として正式発表するまでにはもう少し時間が必要である」

 「今日見せる結果はまだ暫定的なものであるが、125GeV付近に5シグマの信号が見えているということは画期的だ。これはまさに新粒子である。ボーズ粒子(整数のスピンを持つ粒子)であることが分かるので、これまで発見されたボーズ粒子の中で最も重いものだ」。CMSの実験代表者のジョー・インカンデラ氏は語る。「これが意味するものは非常に重要で、だからこそ私たちは非常に念入りに解析と検証を進めなくてはいけない」

 「この結果には興奮を禁じ得ない」。CERNの研究担当副所長のセルジオ・ベルトルッチ氏は続ける。「昨年、私たちは『2012年にはヒッグス粒子のような粒子を発見するか、標準理論がいうヒッグス粒子を否定できる』と言った。非常に慎重に進めないといけないが、私には今や重要な分岐点にいると思われる。この新粒子が観測されたということで、さらに精密な理解をするための今後の道筋が見えてきた」

 今回、セミナーで見せた結果は暫定的なものである。2011年と2012年に収集したデータを基にしているが、2012年のデータはまだ解析途中にある。今回の解析結果の最終公表は7月末になると考えられる。LHCの両実験がさらにデータを収集した後、今年中には今回の観測結果の全体像が見えてくる。

 この粒子の性質を精密に測定し、宇宙を理解する上でどのような役割を果たしているかを明らかにすることが、次のステップである。この粒子の性質は、長年探してきた標準理論最後の未発見粒子、ヒッグス粒子と一致するのか、あるいはもっと奇妙な粒子であるのか。標準理論は、われわれ自身や宇宙で実際に見えている物質を形作っている基本粒子の性質と、その間に働く力を記述する理論である。しかし、われわれが観測できる物質は宇宙全体のわずか4%に満たないと考えられている。ヒッグス粒子の性質が標準理論の予想と異なることが分かれば、まだえたいの知れない宇宙の96%の成分の理解につながる可能性がある。

 「自然を理解する上での新たな段階に入った」。CERN所長のロルフ・ホイヤー氏は語る。「ヒッグス粒子とみられる粒子の発見は、その詳細な研究へと続いていく。たくさんのデータをためることで、新粒子の性質をさらに調べることができ、そこからわれわれの宇宙のほかの謎を解き明かすことができるかもしれない」

 新粒子の特徴をきちんと同定するには、多くのデータと時間が必要だ。しかし、ヒッグス粒子がどのような形で現れようとも、物質の基本構造に対するわれわれの理解は、今まさに次の段階に進むといえる。



上記引用文の中に見える

‘まだえたいの知れない宇宙の96%の成分’

とは、次の図に示す‘成分’の事を言っているのである。

ヒッグス粒子記事0008

それにしても、合計が‘100%’になっていない!
まぁ細かい事?は、何か特別の理由があるに違いない。単なるミスプリや書き間違いではなさそうである。

そして、前述の通り、暗黒場(ヒグス【ヒッグス?】)が、10の62乗%?? とは何を意味しているのか?

この図面から読み取らねばならないのは、‘ダークマター’と‘ダークエネルギー’の合計が‘96%’ということであって、我々が実感として知っていると思っている‘普通の物質(原子)が宇宙の中でわずか‘4.4%’しかないということである。

つまり‘えたいの知れない宇宙の96%の成分’とは、この‘ダークマター’と‘ダークエネルギー’の事である。

いやはや、物理学者にも‘何か判らない’エネルギーと言われると、ど素人の我々は何を想像すれば良いのか?と途方に暮れる。

本件関し、例のホーキング博士が次のようなコメントを出していることで少しは癒される。
物理学者だって‘現金での’賭けををやるものらしい。やっぱり人間様だった!

http://sankei.jp.msn.com/science/news/120705/scn12070515370008-n1.htm

ホーキング博士「賭け負けた」 ヒッグス粒子発見
2012.7.5 15:36

ホーキング博士
スティーブン・ホーキング博士(AP)

 「車いすの天才科学者」として有名な英ケンブリッジ大のスティーブン・ホーキング博士(70)は4日、「ヒッグス粒子」とみられる粒子の発見について、英BBC放送のインタビューで、米国の科学者と賭けをして見つからない方に100ドル(約8千円)を賭けていたことを明かし、「私の負けのようだ」と話した。

 ホーキング博士は発見について「重要な結果だ」と話し、提唱者のピーター・ヒッグス英エディンバラ大名誉教授(83)を「ノーベル賞に値する」と称賛した。(共同)




























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コメント
レポートに使わせてもらってますorz


わかりやすいっっっす。



[2012/07/14 13:59] URL | 零 #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
零 様

前略 ご免下さい。

   レポートに御使い頂くなんて‘光栄’です。有難うございました。今後ともよろしくお願い致します。
   7/16   mobaradesu


> レポートに使わせてもらってますorz
>
>
> わかりやすいっっっす。
[2012/07/16 07:11] URL | mobaradesu #- [ 編集 ]
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