蟻の‘手’
今年の8月の半ばに、偶然にも我が家の玄関先で 「蟻による‘セミ死骸の解体作業’」を見ることが出来た。

画像ー35 012-2-2
2012年8月17日 午前6:53

よ~く見ると、もう大分前から‘解体作業’は開始されていたように見える。なぜなら、写真の右上が‘頭’に当たると思われるが、セミの4枚の‘羽’はもう既に‘付け根部分’から切り落とされているからだ。

‘作業人(蟻)’は、沢山と言っても数十匹だが、何せこの蟻の集団は‘身体が小さい’。目にははっきり判るのだが写真には判定出来るようにはなかなか撮れない。したがって、写真をPCで拡大して見た。

画像ー35 012-2-3
6:53

ピントは今一だが、少しは見易い。

画像ー35 012-2-4
6:53

もう一段の拡大写真である。

画像ー35 023-2-2
7:30

それから、約30分後には、4枚羽の小さい一枚が、こんなところまで‘引っ張られて’きている。

画像ー35 026-2-2
7:30

驚くことに、この写真の直ぐ上の写真とこの写真の‘カメラの示す撮影時刻’は同じ‘7:30’であるから、最大で‘たった1分間’で、‘2cm’は動いている。

画像ー35 030-2-2
7:31

その‘1分後’の写真がこれであるから、この2分間で、置いていたスケールから移動距離を見ると、

   28.5cm ー 21.0cm = 7.5cm

7,5cm も動いている。この羽を動かしている‘蟻の数’は、何匹なのだろうか?

PCで拡大して見ると、

無題-2
7:31

なな、何と、‘たった一匹の蟻’で、この作業をやっているように見える。‘赤丸’で囲った中に一匹の蟻。どうやらこの一匹のみ。

ここで‘たった一匹で’と言うのには‘信憑性’がない訳ではない。

昔、小学校か中学校の時に教わったことがある‘三好達治’詩に、次ような素晴しい詩があった。

    蟻が蝶の羽を曳いて行く。ああ、ヨットのようだ。

 

http://www.geocities.jp/youji15126/34miyosimusi.html

題:土

  蟻が
  蝶の羽をひいて行く
  ああ
  ヨットのやうだ


 晴れた日の朝、高く昇りはじめた光を浴びた田舎の道。辺りはたけだけしく稲の葉が天上を突き刺している。ふと乾いた土の上を見ると紋白蝶が歩いている。アレッ、と思ってかがみこむと、蟻が蝶を引っ張っているではないか。風が吹いたのか、蝶の羽が揺れる。と、天上の青空が青い海原に逆転し、はるかの高みから蝶の羽のような帆を張ったヨットを見ているのだ。
 そんな夢想に達治の詩は誘う。夢想の世界では日常のわずらわしい繰り返し事も、ややこしい人づきあいも、やるせなく心の底にたまりつづける澱もどこかに消え、潮風が胸底をきよめるように、何だかさわやかになる。



‘パクリ’で、

 蟻が
 蝉の羽をひいて行く
 ああ
 ヨットのやうだ

では、締りがつかない!

画像ー35 047-2-2
7;39

見上げれば、空は8月17日というのに、秋の‘うろこ雲’になっている。まだまだ地上は暑いと言うのに・・。
やはり、今年は異常気象のようだ!




この蟻の身長は、約0.2cm。

簡単に計算するために、人間の身長を2m(=200cm)とすると、人間はこの蟻の‘1,000倍’の大きさである。

したがって、運搬の速度を計算して見ると、

蟻の時速は、2分間で7.5cmであるから、一時間には、7.5cm × 30 = 225cm = 2.25m/h

これを人間の大きさに換算すると、

(2.25m/h) × 1,000 = 2.25km/h

この羽一枚の重さは、多分、写真から判断・推定すると、蟻の体重の少なくとも‘10倍’はありそうである。

2mの身長の人間が己の体重の約10倍(~700kg)の荷物を引っ張って、一時間に2km以上運んだことに相当する。何の‘装置’も使わずに、である。

これだけでも‘蟻の持つパワー’の大きさが判るというものだ。

さて、やはり気になるのは、蟻はどうやって引っ張っているのだろうか? 蟻の‘手の格好’は?

そう言えば、およそ45年も昔、‘電子顕微鏡の凄さ’を判って貰う積りで、‘蟻の実態’を‘走査型電子顕微鏡’(SEM)で撮った記憶がある。資料を探してみると、あった、あった!

蟻の手-2

同じ種類の蟻かどうかは判らないが、こんなに‘凄~い!’手(?)をしているのである。

(つづく)

次は、その時‘SEM’で撮った‘蟻の複眼’の写真を公開予定。





















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