‘食’という漢字の本当の意味
我が千葉県の出身タレント、中尾彬さんが出ているCMで、‘食’と言う字 について、

「‘食’と言う字を見てみると、‘人’が‘良’くなると書いて‘食’となっている。つまり、‘人’の身体を調子の‘良’い状態に保つには‘食’が大切だ!ということなのだ」(註:これは、CMの内容を私が把握した内容から多分こういう事であったと再現させたもので、CMそのものの文語ではない)

という意味の事を‘言わされている’。このCMのスポンサー(どの会社かは記憶にない)から、「そう言って下さい」と頼まれているのである。

このCMを見て‘おや?’と思った。私は‘漢字研究のプロ’ではないが、‘食’という文字の成り立ちは、‘人’+‘良’ではないはず、と思ったからである。

確か、‘食’という漢字の‘部首’は、‘食’そのものであって‘人’ではないはずだ!

註:部首とは?

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%A8%E9%A6%96

部首(ぶしゅ) とは、漢字を分類する際に用いられる漢字の一部分である。また、それによる分類の、各グループである。部首による分類では、全ての漢字に、一つの部首が割振られる。

字書などで漢字を分類する際、偏旁冠脚、すなわち偏(へん)や冠(かんむり)など、字の一部分を用いる方法がある。部首とは一つには、そのような分類での、一つ一つの項目である。部首による分類は、字書における漢字の分類・配列方法であるのみならず、字書を引く際の検索方法も与える。

ある漢字がどの部首に分類されるかは字書による。形声文字では、意味を表す部分が用いられることが多い。たとえば「鉄」の字は、左半分の金属を意味する「釒」(金偏、かねへん)を部首とすることが普通である。これは、字書では「金」の部に置かれる。

一方で、「心」部とされうる部分は、いくつかの変形がある。
「志」の字の下側。これは、ほぼそのままの形である。
「快」の字の左側、「忄」。これは、普通「りっしんべん」と呼ばれる。
「慕」の字の下側、「㣺」。これは、普通「したごごろ」と呼ばれる。

これらは、いずれも心に関係した意味を表す。字書により、これら全てを「心」部に入れたり、引き易くするために、形を重視して各々を別の部首としたりする。

このように、部首とは、「心」の部など、文字のグループであると同時に、「快」の字の左側、すなわち漢字の偏旁冠脚の中の、分類に使われる部分をも指す。文字の部分のうち部首となるのは、旁(つくり、字の右側)よりも偏(へん、左側)、あるいは脚(下側)よりも冠(上側)の方が多い。

日本では部首の名称に「正式」なものはない。
漢字以外でも、部首による分類は、漢字と同じ字形要素を持つ古壮字、チュノムや、漢字を参考にして考案された西夏文字、漢字圏にあるイ文字、トンパ文字などでも行われる。


早速、我が家に眠っている古めかしい‘漢和辞典’で調べてみた。

食0004-2
昭和58年出版とあるから、30年も前のものである。この部首索引を見ると・・・

食0002-2

‘二画’のところに‘人(イ)’とある。これは、‘人’及び‘人偏’を表しているので、この部首の52ページ以降を探してみたが、‘食’の文字はない。

‘食’の画数は‘9’である。部首索引の‘九画’を見てみると

食0-2

ちゃんと‘食’偏として存在する。そして、‘発見’したのは、一つ上の画像の‘三画’のところにも‘食’の部首がある! 何故? どうやら‘*’印の注釈を見てみると‘中国新字体’とある。中国の略式新字体では‘三画’と言う事のようである。

いずれも‘1156ページ’である。この1156ページとは、

食-1-2

この通り、‘しょくへん’として分類されている。つまり予測通り、‘食’という漢字は、‘人’と‘良’がプラスされて出来た漢字ではないようである!

‘食’は、その成り立ちが‘人’に‘良’いものと言う事とは違うのである。その辺をトリミング・拡大して見ると・・・、

食-2

‘解字’のところをよ~く見てみると、「穀物が放つかおり」と「集める」をプラスした漢字であると書かれている。穀物の代表が‘米’であるから、「米」を「集める」=「食」だという。

これが‘食’の本当の意味と言う訳である!

文字の誤解について、WEBで検索していたら以下に示す通り大変興味のあるブログにぶち当たった。やはり、中尾彬さんのCMについて‘大間違い’と指摘してある。全文転載。

http://ameblo.jp/gesaku/entry-11410304975.html

文字に関する誤解

2012年11月22日(木) 13時08分39秒
テーマ:小説家、脚本家をめざす人の勉強法

よくいわれるものに、武田鉄矢演じた金八先生の授業。

人という字は、人が人を支えているという、とんでもない読み方。
もし人と人が寄り添っているというなら、短いほうの人は、長いほうの人を支えているだけで、とても平等な関係じゃないよね。
人という文字は人間の腕と足を形どったもので、もちろん短いほうは腕、長いほうは足を表しています。

これと同じで最近、中尾彬がCMでやっているもので、クライアントは忘れたけれど、「食」という文字は、人が良くなるといっているんだけれど、これも大間違いなんだね。
t02200220_0300030012297341011.png
実は食という字は「人」「一」「艮」という文字で構成されているんですね。
食の上部、人型部分は、「今」という文字の「人」「一」と同じでね、これは人が集まっている様子を意味しているんですね。


集客という仕事をしていたから、これは間違いなく正しい。
で「艮」は一般的に使われている「艮」ではないんですね。

「艮」という文字は「目」と「匕」で校正された文字で、意味はたくさんの目の複合体でにらむという意味。
対して食で使われている「艮」は、「目」ではなく「白」と「匕」なんだね。

簡単にいうと「白」で「にらむ」ということなんだけれど、「白」という文字は「入」と「二」で構成された文字でね、入るというのは、上から下に落ちる、つまり人でいえば、口に入れることを意味するわけなんだけれど、「二」というのは「一」より多いという意味でたくさんということを表しているわけです。で、転じて上から下に注意深く入れていくのが「艮」で、それを「人」と「一」で集める。すなわちたくさんのものを集めて注意深く入れるという意味が「食」という意味になっているわけです。

飽食といわれてずいぶんたちます。
世の中はTPPといって、農業政策のことと偽りの説明をする代議士にごまかされているけれど、TPPというのは貿易の自由化だけではなく、政治主導による国家間のすべての決めごとを食うか食わないかという選択肢なんです。
国家間の決めごととは、当然、戦争も入ります。
経済というのは、戦争もマーケットである以上、戦争鎖国をもはや日本はいえない時代でもあるわけです。

自民も民主も口ではいっていませんが、TPPは戦争容認というサインでもあることを知って選挙に参加しようではありませんか。


このブログの解説は、私が引用した‘漢和辞典’には載っていない情報が載せられている。

漢字の成り立ちを研究しておられる人達からすれば、‘人’という文字や使いなれている‘食’という文字をCMのためかドラマ作りのためかは知らないが、‘勝手に’事実を無視して如何にも真実の如く言いふらされるのは‘耐えがたい’感情があるに違いない。

特に有名なタレントさんがTV画面で発言すれば、誰しも‘本当だ!’と思ってしまう。CMを創る方だって有名タレントさんに言って貰えば‘信憑性’が増すという気が働いているに違いない!

我々受け取る側としては、今回のように気付けばいいが、そうでなければCMやドラマの内容を信じてしまう事になり事実誤認に陥ってしまう事になる。

昔から「常識のウソ」と言われて、一般に信じられていることが実は全く違うことだったりすることが多い。

タレントさんだって、やはり‘台本通り’にしゃべる必要はあるのだろうが、それだけではご本人の‘品格’が落ちてしまわないとも限らない。

へたをすると、あのタレントさんがしゃべっているのはみんな‘ウソ!’等と言う評判が立てば命取りである。

創る方もしゃべるタレントさんにも正しい文化継承のために一考をお願いしたい物である。

(つづく)


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