‘水のある風景’といっても、常にそこへ行けば水が見られるのであれば、それなりの感動はあってもそれは刻々と変わりゆく謂わば周りの景色の変化が面白い場合が多い。
さて、水も一年に一回しか見られない風景の中の水。それこそ、‘水’が主人公の風景であるから、それなりの新鮮さがある。そんな場合に、動物が関与する、そんな風景が撮影出来た。特に‘鏡反射’の風景はそれなりに情緒があって‘懐かしい’風情でもある。この反射は
‘シンメトリー’の世界をも創り出してしまう。
水面が‘鏡’のように景色やその他の形を反射してしまう事は誰しも経験があるから、‘そうなるんだ!’と思っているかもしれないが、この現象を確実に理解するにはある程度の難しい予備知識が必要である。これについては‘美しい?’画像を見た後に説明の文献を引用しておいた。
散歩の場所は、遠くへ出かけた訳でもなく、通常の散歩道である。

‘Google’マップ。
(マップー1)
‘Google’マップ。
(マップー2)(マップー2の拡大)
●Aが我が家。赤いルートが散歩のコース

‘Google’マップ。
(マップー3)ものは考えようで、この散歩道、わざわざ我々の為に作って頂いたと思えばその有難みは、一挙に100倍にもなる。
2013年4月5日、いつも通りいつものコースの散歩に出かけたのだが、その日の風景はいつもと違っていた。

‘赤目川’の文字が懸っている。

‘あかめはし’の文字が見える。橋の存在は、川の名前と橋の名前を4カ所に‘漢字’と‘ひらがな’で示すことになっているらしい。

2013年04月06日 この場所は(マップー3)の「鉄塔ー1」の右側の田圃である。我が家から赤目橋を渡って右折してだらだら坂を下った場所からの写真である。少なくとも2~3日前には無かった光景である。田圃の持ち主さんが、田植え準備のため故意に水を引き入れたのか、前日の夜降った雨が溜まったのか、いずれにしても田圃は水を湛えていた。 そのためこんな素晴らしい
‘上下の’シンメトリー画像が生まれたのである。(通常のシンメトリーは、‘左右の’である) 実はこれは一年中で一回だけこの時期にしか起こらない風景である。田圃に稲が植えられるとこんなにきれいな画像にはならない。

この杉の木のシンメトリーも面白い!
あとはもう説明は不要である。偶々鷺が一羽だけこの領域にいた。


右端にもう一羽別の鳥がいる。

拡大。





餌を採った!







さて、ここで上述した通り、何故こんな風に
‘水が鏡になる’のだろうか?
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2011/2011_07_0079.pdf
3.なぜ鏡になるのか
なぜ,水面が鏡のようになるのだろうか.広い水面ということであれば,わざわざボリビアに行かなくとも,日本にもある.琵琶湖などはかなり広い.もっと広い水面ということであれば,海面もある.しかし,琵琶湖や海面が鏡のように空を映し出した,という話は聞いたことがない.その理由は,水面が平面になっていないためであろう.湖でも,海でも,通常は波立って凸凹している.しかし,凸凹しているなら,凸凹しているなりに,歪んだ像を映し出してしかるべきではないか.そのようなことが起こらないのはなぜだろうか.
第1図は,水面に入射した光線の入射角と反射率の関係を示したものである(柴田 1999).反射率は光線の振動面によって多少異なるが,偏光を問題にしない場合は,2種の反射率の平均値を反射率とする(第1図の太い実線).この結果によれば,水面における反射率は,入射角度が70度を超えると,急激に大きくなる.水面を斜めに見れば見るほど,水面は鏡面に近くなる,ということである.
ウユニ塩原の場合,波立たない水面が広い範囲に広がっていることが鏡になる理由である.波立たない理由は,水深が浅いからである.深さが1cm以下であれば,さざ波のような波長の短い波は立つことがあっても,普通の湖や海面に見られるような大きい波が立つことはない.

別の文献には次のような説明がある。
http://okwave.jp/qa/q6789864.html
光の反射のメカニズム
光の反射の理由を調べていたら、色彩について説明しているサイトがありました。
そこには、光のエネルギーを受け取った電子がエネルギーの低い状態に戻るために光を発する。
というようなことが書かれていました。
また、ある質問ページでは、光の反射の理由を尋ねた質問者さんに、同じような回答がされていて、
さらに、金属は自由電子があるからよく反射する。とも言われていました。
しかし、これらのメカニズムでは、
1.金属より自由電子の少ないプラスチックの下敷きやフローリング、水面が鏡のように映る理由を説明できない。
2.鏡の一点だけ見ても、見る方向によって映る像が変わる理由を説明できない。
(電子のエネルギー放出には方向があるということでしょうか?)
3.光よりはるかに周波数が低いマイクロ波が反射する理由を説明できない。
(周波数の低い電磁波でもいろいろな角度からたくさん当てれば電子にエネルギーを与えられるのでしょうか?)
などの問題がある気がします。
それとも、何か見落としがあるのでしょうか?
私のような物理にあまり詳しくない人間にもわかりやすく答えていただけると幸いです。
物質と光の相互作用には、非常に色々な物があるのですが、人の目で見える範囲のものは下記の3つでだいたい説明できます。
1)自由に動ける電子による反射
2)光の吸収(電子の実遷移)および、再放出
3)屈折(電子の仮想遷移)
まず1について。金属等の電気を良く通す物質中には、自由に(といっても物質の中だけですが)動ける電子が沢山います。この電子に電磁波があたると、電子は電磁波の電場にゆさぶられ、電子が新たに電磁波を放出します。この新たにでてくる電磁波(反射波)は、物質表面での電場を打ち消すように発生します。つまり入ってきた電磁波と反射波の向きにはかならず一定の関係、いわゆる鏡面反射の関係が生じます。
なお、電子は軽いとは言え、あまりはやく揺さぶられると追随できません。そのため、周波数が高くなると、この反射は起こりにくくなります。物質によりどの周波数まで追随できるかは異なっており、銀やアルミニウムでは目で見える光すべてに追随できるので『銀色:特定の色を持たない』をしていますが、銅などでは青の周波数には追随できないので『あかがね』色になります。(赤と緑は反射できるが、青は反射できない)
次に2について
物質中の電子は、光子(電磁波の粒)を吸収することで、より高いエネルギーになることができます。この場合、電子は実際に高いエネルギーになっているので実遷移といいます。
ただしこれが起こるのは、物質毎にことなる波長の範囲(周波数の範囲)の光に対してだけです。物質毎に吸収できる波長範囲、できない波長範囲はことなっています。できない波長範囲の光については、3で説明する屈折現象が生じます。
光を吸収したエネルギーの高い電子は、やがてエネルギーを放出してもとの状態に戻ります。このとき、吸収したのと同じ波長の光を放出すれば、『色』はつきません。実際には、吸収したエネルギーの一部分や全てを熱の形で放出することが多いので、でてくる光は照射された光よりも減っています。これが物質に『色』がつく理由です。つまり、当てた光とでてくる光で波長成分が変わるのです。
最後に3について
物質に吸収されない範囲の光も、じつは非常に短い時間だけは物質に『吸収されたフリ』をすることができます。でも、人が感じられるような時間が立つ前に、物質はきちんともとの光を放出します。このような非常に短い時間、電子が光を吸収したフリをするのを、仮想遷移と呼びます。光が吸収されたフリの痕跡は、光の位相がずれることに残ります。つまり、光の進みが物質の中では遅くなったように見えます。これを屈折とよびます。
エネルギー保存則のせいで、屈折ででてくる光はもとの波長と同じです。つまりこの現象で『色』はつきません。ただ、でてくる光は色々な方向に向かおうとします。ただ、となりあった電子がおこなう仮想遷移は、それぞれ相関関係があるために、打ち消し合ったり強め合ったりします。これを干渉とよびます。そのため、仮想遷移ででてくる光は、いくつかの特定の方向にわかれます。このとき、電子がきれいに並んでいればきれいな干渉が起こります。平らなプラスチックや水面が鏡のように振る舞うのは、このせいです。『平ら』というのは、微視的にみれば電子が有る平面にきれいに並んでいること。このようにきれいにならんでいるためにきれいな干渉が起こり、鏡面反射になります。ざらざらな面というのは、電子がきれいに並んでいないということ。ですから、そういう物質からの屈折ででた光は色々な方向に振り分けられるので、いわゆる散乱を起こします。
次の写真からは、シンメトリーではなく、田植えがもうすぐ始まるかもしれないという情報である。

この上下2枚の写真は、上がフィルターなし、下がフィルターありの写真で。上下で`変則の’シンメトリー(?)であり、この鉄塔は(マップー3)の画像にある‘鉄塔ー2’である。


この上下の2枚は同じ写真。鉄塔ロケットに見えるかもしれないと工夫して見ただけの事。そんなには見えない!


田圃はもう田植えの準備が出来ている。

水だって、有り余るほど水路を流れている。

TPP問題って知ってる?

知らねぇ!

此方は、水に頼らない‘シンメトリー’。鉄塔ー3。

これは、鉄塔―2と鉄塔ー3のコラボ(?)シンメトリー!

この写真は、鉄塔ー1が、赤目川に写ってシンメトリーとなっている。鉄塔の奥に、鉄塔ー2とー3が見える。
そんな訳で、上述の通り、この田圃の春の水は、一年に一度の映像をみせてくれる。ただし、最後の写真のように赤目川は年中水を湛えていて、そんなに深くはないので、シンメトリーは何時でも見える。
(つづく)
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