‘変態’について(その1):金属の変態
NHK/TVで、生物の‘変態’についての番組を見た!

「オタマジャクシ → カエル」 「芋虫 → 蝶」などの‘変態’である。

img_902098_7810848_2.jpg

‘変態’について、‘Wikipedia’を見てみると

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%89%E6%85%8B
1 概略
2 昆虫の変態
2.1 完全変態
2.2 不完全変態
2.3 過変態
2.4 無変態
3 昆虫以外の節足動物の変態
4 棘皮動物の変態
5 尾索動物の変態
6 魚類の変態
7 両生類の変態


今回のテーマには、この範疇で事足りるのであるが・・・。
一方、goo辞書では、

http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/200474/m0u/
へん‐たい【変態】ツイートする Facebook にシェア
[名](スル)
1 形や状態を変えること。また、その形や状態。
2 普通の状態と違うこと。異常な、または病的な状態。
「お品は身体に―を来したことを」〈長塚・土〉
3 性的倒錯があって、性行動が普通とは変わっている状態。変態性欲。
4 動物で、幼生から成体になる過程で形態を変えること。おたまじゃくしがカエルに、蛹(さなぎ)がチョウになるなど。
5 植物で、根・茎・葉などが本来の形から変化し、著しく異なる形態をとること。葉がとげとなるなど。
6 同じ化学組成で物理的性質の異なる物質の状態。温度変化などによって生じることが多い。単体の場合には同素体という。転位。


材料屋として、50年以上前に、「金属の変態」について学んだことがある。

上記引用文にある通り、‘金属の変態’とは、同じ組成なのに‘物理的性質’が変化することを‘変態’と呼ぶ。

Fe-Co合金が研究の対象だったが、もっと簡単な‘純鉄という鉄原子のみで出来ている素材のモデル’で説明すると判り易い!

純粋な‘鉄’の場合、ナント温度によって、その結晶構造が‘変化’するのである。何故変化するのかの理由も‘キチンと’解っている。温度の変化に伴う原子の動き(振動)が、周りの鉄原子との‘調和’を保つために‘結晶構造’を変化させるのである! 

http://ms-laboratory.jp/strength/ms2/ms_2/2.htm
[純鉄Feの場合の結晶構造の変化]
 
 室温 体心立方構造 BCC  1unit 9個の原子
     収縮 ↓↑ 膨張   910℃
 高温 面心立方構造 FCC   1unit 14個の原子
●単位胞の大きさはBCCもFCCもほぼ同じ,
●FCCは1unit当たり, BCCより5個の原子が余計に必要なため、
温度上昇の変態では収縮する

●BCC14unit→ FCC9unitができる

●BCC14unit×9=126 個の原子→ FCC9unit×14=126個の原子 

image2.gif

図3 加熱時,試験片は変態すると収縮する。冷却時,試験片は膨張する


面白いことに、純鉄は、温度上昇をさせると、或る温度(910℃)までは膨張するが、その温度に達すると収縮するのである!
但し、収縮し続けるのではなく、結晶構造を変えた後は、その結晶構造で又膨張を続ける。(下の図参照!)

image2.jpg

図2 加熱冷却による試験片長さの変化、純鉄FeのA3変態

金属の変態は、製品の機能を向上させるために‘利用’される!

例えば、‘焼き入れ’は、日本刀の製作には無くてはならない‘工程’であるが、実はこれは‘変態’を利用した知恵であることが近代になって科学的に判明・証明されたが、それまでは、謂わば‘生活の知恵’だったのである!

この‘焼き入れ’の現象については、別途後日詳細を説明したいが、この現象を‘よ~く’理解するには、金属が持っている基本的な‘知識’が必要であるので少々難しくなる!

さて、‘生物の変態’は、何故起こるのか? これについては番組の中でも明確な答えはなかった!

(つづく)
スポンサーサイト
[2013/08/26 23:55] | 仰天! | トラックバック(0) | コメント(12) | page top
<<イプシロンの‘打ち上げ’失敗! | ホーム | 欽ちゃんの‘特製ドリンク’>>
コメント
フリクションインパクト
それにしても日立金属製の高性能冷間工具鋼SLD-MAGIC(S-MAGIC)の自己潤滑性の評価が高い。塑性加工金型のカジリを防ぐメカニズムが最近わかったようで、摩擦面に吸着している微量なオイルを自動的にナノベアリング状の結晶へ変換されるとのこと。耐カジリ性(耐焼付き性)の指標であるPV値も通常の鉄鋼材料の6倍と世界最高水準と報告されている。
 これはどういうことかというと、例えば自動車のエンジンや動力伝達系部品のしゅう動面積を1/6にすることを意味し、大幅な軽量化による低燃費化が期待できることを意味している。トライボロジー技術にはまだまだ発展する力学的な未知が多いように思われる。
[2014/06/23 06:45] URL | エンジンダウンサイジング委員会 #- [ 編集 ]
トライボケミカル新理論
 オイルコーティングの新理論、CCSCモデルは反響がでかいですね。ネット上の情報ではいかにもダイヤモンドに潤滑性があるように言及するものが多いがこの理論はそれをキッパリと否定しているところに好感が寄せられているのかもしれません。エンジニアの常識としてダイヤモンドは研磨剤であり潤滑剤ではないというのが一般的認識ですから。
 あと国産エンジンのダウンサイジング化が叫ばれているのも盛り上がりの一要因かもしれません。
[2014/11/16 09:13] URL | フリクションインパクト #- [ 編集 ]
ネットワールドのリアルワールドへの回帰
 まあマルテンサイト変態のない超硬の産業上の存在理由が薄れ、熱処理技術の存在価値が高まる理論だと考えてもいいかもしれない。
[2015/02/09 17:56] URL | チャンピオンパンチ #- [ 編集 ]
CCSCモデルの凄さ
 そのメカニズムはCCSCモデル(炭素結晶の競合モデル)といって、すべりの良さばかりでなく、摩擦試験データのバラツキが信頼性工学で言うバスタブ曲線になることや、極圧添加剤の挙動、ギ酸による摩擦特性の劣化挙動など色々と説明ができそうなトライボロジー理論らしいですね。トライボロジー関連の機械の損傷の防止、しゅう動面圧の向上設計を通じた摩擦損失の低減、新規潤滑油の開発など様々な技術的展開が広がっていきそうですね。
[2015/07/12 09:19] URL | 表面処理屋 #- [ 編集 ]
MAGIC化成処理
 とにかくこの理論のおかげでなぜ機械設計の教科書には歯車や軸受けの許容面圧が材料強度の1/100~1/1000という異常なまでに低い値で設計しなさいと書かれているのかがようやく理解できた。要はいままで油がダイヤモンドに変態するのをほったらかしにしていたので、材料強度レベルから考えると軽く触れるだけで機械は損傷していたのだ。
 それを食い止めた初の材料がSLD-MAGICというわけで、PV値などもほかの手っこ材料の何倍も高いといわれているのだと思う。
[2015/07/20 18:16] URL | 某技術者 #- [ 編集 ]
ドイツ対抗理論ファン
 SLD-MAGICの評判はいいですねピストンピンなんかにも良いようです。
[2015/12/30 15:03] URL | 帝国重工 #- [ 編集 ]
噂に騙されるな
 まあ化成処理の分野でも使われていた効果なんでしょうね。防錆処理とか言いつつも硫化処理が、多い。しかし、防食反応の機能がなかったので良かったり悪かったりがあったのかとCCSC理論には目からうろこの感じがします。
[2016/03/10 21:50] URL | チーム神鋼 #- [ 編集 ]
時流は変わったいいものはいいと認めよう
噂ではなく、自分で確かめるにはここ。

https://www.researchgate.net/profile/Kunichika_Kubota/researchfeedback
[2016/05/08 20:17] URL | 元DLC開発者 #- [ 編集 ]
泣けるなあ~
 某社の新型二段過給ディーゼルのピストンピンで活躍しているらしいです。
[2016/07/26 18:55] URL | 開発秘話 #- [ 編集 ]
それでも一騎当千
 今年、K博士は東京でCCSCモデルの発表をしていましたが、それ一件のみで、対抗するDLCの発表は20件近く。この1対20の構図に私は陰で泣いてしまいました。
[2016/08/11 19:05] URL | 新理論ウォッチャー #- [ 編集 ]
トライボロジー分野どうなってるんじゃ~
 DLCの研究者ってのは、なんかわからないけどハイ摩擦性能は良くなりましたっていう連中ばかりだろ?現場では剥離の問題で適用が進んでいないらしいし、おれはSLD-MAGICの性能を実感した。
[2016/09/21 19:39] URL | 一騎当千ファン #- [ 編集 ]
パラダイムシフトってこういうこと?
 そういうこと。金属って引張ったとき壊れる強度と擦りつけたとき壊れる強度は、後者が圧倒的に低いそうだ。これは水素脆性で説明され、時の水素ブームによって後押しされた。しかし、普通機械は潤滑油でこすられ、油ってのは分子間がスカスカだから大気が入ってきちゃう状態が産業界が一般的に使っているモード。水素より酸素が多いわけ。
 だったら酸素が強度劣化の原因かというと、金属の表面に酸化膜を形成させるむしろ良い働きをする。じゃあ炭素?グラファイトは潤滑性があって無害じゃないのというところでとどまっていたわけだ。そこにCCSCモデルが現れて、カーボン粒子はナノレベルだとダイヤモンド構造が熱力学的に安定だからこういった境界潤滑モード(トライボロジー用語)では、ダイヤモンドが機械損傷の真の起点で、それによって自動車のリコールが起こったり、劣化したエンジンオイルを変えないといけなかったり、もっとも社会的不利益をもたらしているのが機械のコンパクトの阻害要因となっていることなんだ。
 鉄道、船舶、自動車、バイク、航空機、発電機、またその内部に潜むエンジンやパワートレイン、コンプレッサーなどなどのユニットの機械のサイズは何で決まってるのかということになる。①は幾何学的制約(これは人間の乗れない小さなサイズで効率のいい自動車を作っても意味がないというもの。)②強度的制約(これは大学でもものすごく力をいれて行う材料力学で、力を支える部材の断面が小さすぎると機械が壊れますという意味。)③がいま議論している機械部品は擦ると異常に低い応力で破壊するということ。
 ①、②は明確に意識され設計と呼ばれる段階にまで整備されているが、③は産業界の意向も含んだ学派的争いもあって、見解が統一化しにくく、エンジニアは各機械、各部品ごとにバラバラの真実が眠っていてその真実を正確に示す実機試験のみが神であるという。設計とは程遠い、旧約聖書のバベルの塔を思い起こすような状況が機械工学というなかで起こっている。科学は真理を追究するものだが、工学はあらゆる科学を使ってブラックボックスでもいいので実用的な機械を作ることを目標としているところからそういうことが起こってしまう。工学者の主張は「一般理論からこのケースの最適解は導き出せるのか。」と。それに対する逆襲が境界潤滑モードにおけるCCSCモデルなのではなかろうか?
 これが、真実であれば巨額の富が発生するのは間違いないのはたしか。
[2017/05/17 01:45] URL | 通りすがり #- [ 編集 ]
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL
http://kissyarita.blog.fc2.com/tb.php/637-faa1d447
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
designated by FC2